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30歳でエンディングノートを書いて気づいたこと

はじめに

はじめに

こんにちは。あやです。

あなたは、エンディングノートをご存知でしょうか?

「聞いたことあるよ〜!」

「自分には関係ないよ〜。」

まだ早くない?

と思う方が多いと思います。

しかし、実はエンディングノートは終末期にある方だけではなく、どのタイミングでも書いて良いノートなのです。

今回はエンディングノートについて

気になるけど、結局よくわかっていない
・いつか親に渡したいと思っている
・どんなことを書けば良いかわからない
・どのタイミングで必要なのかわからない

という方に向けて、

30歳でエンディングノートを書いて得られた気づきをご紹介させていただきます。

先に結論からお伝えしてしまうと、

エンディングノートは早く書くことに越したことはない!

ということです。

なぜ私がそう思うのかを具体的なエピソードも踏まえて綴っていきます。

エンディングノートとは?

エンディングノートとは?

エンディングノートとは、自分の終末の人生について身の回りのことを含めて綴ったノートです。
法的な効力はないもので、実際はノートだけではなくメモ帳なども含まれます。

エンディングノートには、以下のことをまとめることができます。

・銀行口座

・財産や相続

・保険

・カード情報

・オンラインアカウントのパスワード

・かかりつけ医

・ペット

・葬儀

・家族や友人の連絡先

・治療方針、延命措置

・自分史 など

これらが全て1冊にまとめてあります。

そのため、時間を割いて話し合いができなくても、かける時に書き込むことができるのでとても便利なんです。

エンディングノートを書こうと思ったきっかけ

エンディングノートを書こうと思ったきっかけ

遡ること5年ほど前。

私は、地域包括支援センターで保健師として勤務をしていました。

主に高齢者とその家族をサポートするお仕事です。

その現場で働く中で、終末期の方と関わる機会があり、エンディングノートについて具体的に知りました。

それまでは、エンディングノートは高齢者や終末期にある方が身辺の整理をしていくために綴るノートというイメージを抱いていました。

しかし、私自身にもエンディングノートを書こうと思ったきっかけがありました。

それは、地域の企画で"終活"に関するイベントを企画した時のことでした。

そのイベントに参加されていた方々に

「自分の最期の時にどんな終わり方をしたいか家族と話し合っていますか?」

という質問をさせて頂きました。

その時に

「家族と話し合ったことはあるけど、そこまで具体的には話せていない。」

「なんだか面と向かって話すのは小っ恥ずかしい。」

などの回答がいくつかありました。

とてもお気持ちがよくわかりました。

かくいう私自身も当時は20代後半でおかげ様で健康に過ごせていました。

そのため、あまり自分の最期を具体的に文章に綴ったり、家族ともなんだか照れ臭くて詳しく話し合ったりなどはしていませんでした。

しかし、寿命をまっとうするまで、自分が生きている保証がないから書く。

とおっしゃっていた参加者さんの言葉にハッとしました。

正直にいうと、家族や患者さんの死に直面することはあっても

自分に限ってそんな早くは死なないだろう・・・

という謎の自信があったのは否めませんでした。

この参加者さんの言葉をきっかけに

「冷静になると、毎日朝布団から起きて、同じ布団で無事に寝れることってとてつもない奇跡だな。」

と思い直し、ノートに書くことを決めました。

自分に対してというより、万が一のことがあった時に残された家族の負担を減らすためという思いの方が大きかったです。

エンディングノートを書くタイミング

エンディングノートを書くタイミング

最期の時は平等にみんなに訪れるという事実は変えられません。

それなのに、いつその時が来るか?ということはドラマや映画のファンタジーな世界でない限り誰も教えてくれませんよね。

もしかしたら今日かもしれないし、明日かもしれない。

はたまた、数年、もしくは50年以上先になることかもしれません。

こればかりは健康診断で体内年齢を測定できたとしても、正確な日を測ることは今の科学ではできません。

・事故などで命の危機に瀕している(た)
・大病を患った もしくは 患っている
・余命宣告を受けた
・身近な人の死に直面された
・死が身近な職業に就いている

そういった状況以外では、自分の死というものを考えることやそのようなきっかけを得ることも少ないのではないのかなと思います。

「今を一生懸命に生きているから、最期のことなんて考えたくない。」

そんな気持ちになる方がいらっしゃることも、とてもよくわかります。

私自身も、毎日を楽しんで生きていたいし、死ぬことについて考えることはあっても具体的には考えたくない気持ちでいることがほとんどです。

ずっと笑っていたいし、人生の役割を果たしていきたい。

そんなことをずっと思っています。

ただ、人生はいつ何が起こるか分からない・・・。

そんな不安は頭にへばりついてきますよね。

世界情勢も落ち着かず、未来が予測できない今を生きているからこそ、30代になった今ふとエンディングノートを綴ってみることにしたんです。

まだまだ高齢者の方が遺すツール、という印象が強いかも知れません。

しかし、私自身が今のタイミングで綴ってみて気づかれたことがたくさんありました。

自分の最期を具体的に考えて書いてみた結果

自分の最期を具体的に考えて書いてみた結果

最初に、自分自身が亡くなった時のことを具体的に想像してみました。

まず思い浮かんだのが

葬儀や財産のこと(生々しいな。)

それだけでなく、

自分が死んだ後も定期的に思い出してくれそうな人の顔が思い浮かんできました。

両親や兄家族、友人、一緒に仕事をしてきた方々など。

次に、具体的に以下のことを書き込んでいきました。

・お墓のことや葬儀、相続についての希望
・病気をした場合の治療方針や延命治療
・サブスクとかSNS、パスワード解除に必要な手続き
・葬式に呼ぶ家族や友人の連絡先 など

また、ノートには、自分が亡くなる想定で大切な人にメッセージを書く欄がありました。

なかなか面と向かって伝えにくい自分の気持ちを言葉にして整理する作業。

普段の生活では考えてこなかったことを、エンディングノートを通して綴ることができます。

このメッセージを綴っていると、なぜか涙が溢れて止まらなくなりました。

感覚としては、遺書を書いているような気持ちです。

それと同時に、一緒にいてくれるパートナーや気にかけてくれる家族への感謝の気持ちが込み上げてきました。

ありがとうの気持ち

死と別れをイメージしてメッセージを書くこと。

この作業は予想していた以上に気持ちがきついなと思うこともありました。

忘れていた思い出や感謝の気持ち、家族の繋がり、いろんな感情が込み上げてきます。

場合によってはポジティブなメッセージばかりではない方もいらっしゃると思います。笑

でも、それはそれで良いのかなと私は思います。

私も思い出すとイラっとする出来事はたくさんあります。笑

しかし、この作業によって周りの人に助けられて生きて来れたことを思い出させてもらえました。

本音で自分の心と向き合う時間はものすごく尊いし、それがご自身の本心であれば綺麗に取り繕う必要もないのかなと思います。

エンディングノートを書いてみた気づき

エンディングノートを書いてみた気づき

最後に自分史を書いてみたことで、自分の過去の記憶が次々と蘇ってきました。

「浪人した頃は辛かったな。」

この頃は病気で、いろんな人に助けてもらったけどなんだか孤独だったな。」

「良いタイミングでパートナーに出逢えたなぁ。」

「この時期には2度と戻りたくない。笑」

「この時本当に調子に乗ってたな。」

などなど・・・

いろんな感情と合わさって整理していく中で、気づけば”今をどう生きたいか”という感情と向き合っていました。

これからどこまで続くか分からない人生をどう歩んでいきたいか、言葉にすることで少しずつ具体的なイメージが膨らんできます。

とはいえ計画通りにはいかない人生だし、不安はなくなることはありません。

しかし、

「そういえば私、前はこんな夢持ってたじゃん!」

と以前やりたかったことを思い出せるツールでもあるのが、エンディングノートを書くことのメリットでもあると感じました。

なかなかエネルギーを使うので、あまり深く考え込まずに、肩の力を抜いて活用できると良いのかなと思います。

また、定期的にノートを見直すことで、新たな気づきや異なる気持ちが芽生えてくるかもしれません。

死ぬことを考えることは、生きることを考えること。

これは、看護学生の頃、緩和ケアの勉強をしていた時にふと目に飛び込んできた言葉です。

より豊かに生きるための補助ツールとして、ぜひエンディングノートを活用してみてはいかがでしょうか?

親御さんやパートナーへの贈り物としてもオススメです。

今回も最後まで読んでくださったみなさま、ありがとうございました。

-GoJIAI
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