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出羽三山で山伏の修行体験から学んだ3つの人生のヒントとは?

こんにちは。あやです。

今回は生まれ変わりの旅といわれる山形県の出羽三山のエリアで、山伏(やまぶし)の修行体験をした時のお話をさせて頂きます。

実際に山伏という文化に触れることで、日本人特有の感覚や価値観に触れることができました。

なかなか日常では味わえないとても貴重な体験だったので、感じたことをそのまま振り返っていきたいと思います。

出羽三山とは?

月山の紅葉
photo by Takuro Yamamoto

ご存知の方が多いと思いますが、まずは簡単に出羽三山についてご紹介させて頂きます。

出羽三山は山形県鶴岡市に位置する月山(がっさん)羽黒山(はぐろさん湯殿山(ゆどのさん)の総称です。

古くから修験道(しゅげんどう)の場所として知られています。

月山

 出羽三山の主峰である月山は標高1984mあります。

夏はニッコウキスゲをはじめとした美しい高山植物、秋は色とりどりの紅葉の絨毯に癒されます。

登山ルートも豊富にあり、様々な角度から景色を楽しむことができるのも魅力の一つです。

湯殿山

 湯殿山は標高1504mで月山に連なり、湯殿山神社はその中腹の渓流のほとりに鎮座しています。

古来出羽三山の奥の院とされていて、修行した山伏が促身成仏する場所として知らされていた場所だそうです。

湯殿山神社の御神体(ごしんたい)はお湯が湧き出ている大きな岩で真冬でもこの御神体だけ雪に覆われていない不思議な場所なんです。

語るなかれ、聞くなかれと昔から言われていたため、現在でも撮影が禁止されている場所でした。

というよりカメラを向けてはいけないと自然と思ってしまうような場所でもありました。

実は25年前に家族で訪れていた場所であり、久しぶりの訪問ですごくワクワクしていました。

羽黒山

 羽黒山は標高414mの山で月山の北西山麓に位置します。

・国宝の羽黒山五重塔(ごじゅうのとう)

・重要文化財である出羽三山の三神を祀る三神合祭殿(さんじんごうさいでん)

・全長約1.7kmの2446段の長い石段のある580数本もある表参道杉並木

これらは国の特別天然記念物に認定されています。

足を踏み入れた瞬間に空気感が変わるのが体感できる神聖な場所です。

日本遺産である出羽三山に関する詳細なご案内はこちらのホームページがわかりやすかったです。

山伏の体験について

月山頂上にて
photo by Takuro Yamamoto

今回は環境省の磐梯朝日国立公園のプロモーションビデオの撮影で、山伏の体験をさせて頂きました。

撮影時期が台風接近による天候の読みにくい状況でもあり、スケジュールを若干変更しながら行う形となりました。

※修行期間中は本来、スマホやカメラの持参は原則禁止のため特別な許可を頂いて撮影しております。

それではさっさく修行体験のふりかえりをしていきます。

今回大変お世話になったのは、いでは文化記念会館""羽黒町(はぐろまち)観光協会さんです。

温かく迎えてくださり、白装束に着替えてまずは気持ちを整えました。

初めて身を纏う山伏の衣装は慣れるまで着るのが難しかったです。

ちょっとうさぎみたいだななどと余計なことを考えながらも装束を身に纏うとすごく心が引き締まりました。

この白装束は死装束という意味もあり、まさに生まれ変わりの修行をするために適した装いですね。

山伏の修行の内容

今回は撮影も兼ねており二日間の修行でした。

たったの二日間ではありましたが、出羽三山の自然に身を置き、

山駆け、滝行、坐禅、火渡り、一汁一菜の食事など

貴重な体験をさせて頂くことができました。

特に今回学ぶことができた3つの学びをみなさんとシェアできますと嬉しいです。

一汁一菜

まず一つ目は一汁一菜の食事から学んだ食事と体調の関係です。

主に修行中は白米とたくあん、味噌汁を頂きます

実際に必要最低限の栄養を頂くことで体が軽くなりました。

また、血糖値も乱高下しにくくなり、日中に眠くなりにくいことを実感。

ついつい日常だと仕事の合間とかで甘いものとか間食をしやすい自分。。

ちゃんとお腹を空腹にさせておく。

そうすることで、より素材の旨みに気づけるようになり、食事が美味しく感じられんですよね。

「お米甘くて美味しいな。」

「出汁が効いてるお味噌汁最高だなぁ。」

やっぱり和食は体にいいんだなと実感しました。

また、毎日食事を十分に食べられていることに感謝の気持ちが込み上げました。

日本の”いただきます”,”ごちそうさまです”という当たり前に使っている言葉も素敵な言葉だなと改めて実感しました。

ただ注意点としては慣れてないと、低血糖症状が出やすくなる方もいると思います。

実際に私も車の中で空腹で山道を走っていたらかなり酔いました。笑

この体験から、ある程度人間本来の最低限これが満たされていれば良いことに自ら気づけること。

必要なカロリーや空腹な状況に適応していくことも修行の一つであるということを学びました。

滝行と座禅

続いて二つ目が滝行と座禅の時間から学んだ自分と向き合う時間を持つことの大切です。

まず滝に辿り着くまでの山道が結構な険しさでびっくりするのですが足袋で川を渡るのでびしょびしょになりながら歩いていきます。

滝行に関しては9月でまだ蒸し暑さが残るものの、水はかなり冷たくて入った瞬間は低体温症になりそうになりました。

しかし、驚くことにずっと入って声を出してると不思議と体がポカポカと温かくなってくるんですよね。

その後だんだん泣けてきて涙が出てきて浄化されていく感覚になりました。

どのくらい打たれていたか覚えてないですが、終わった後はすごく清々しいすっきりとした気持ちになれました。

また、座禅では宿坊の廊下で雨の音を聞きながら、そっと目を閉じて修行を振り返っていました。

座禅をしながら今ここにいて良いんだな、そのままの自分でいいんだなという安心感に包まれて気持ちが穏やかになっていく感覚を覚えました。

瞑想に近い状態ですかね。

異なる修行の内容ではありますが、自分の心と体と向き合う時間を持つことで次に向かうための英気を養えることを知りました。

修行を終えた後の心境の変化

そして最後にお伝えしたいのが、修行を終えた後の心境の変化についてです。

最初にお伝えした2つのことを通して、足るを知るという日本で昔から伝わる素敵な禅の言葉を思い出しました。

まだまだ足るを知るという言葉を語るには全然修行が足りない身です。

大量にものが溢れて様々な競争が止まらない現代社会を生きる私たち。

だからこそ、自然への信仰や敬意を忘れずに人間が共生していくことが大切だなと思い、山の神様に感謝の気持ちが溢れました。

日頃の自分は足りないものばかり探していて、それを外側から付け足したり補うことにフォーカスしてしまっていました。

しかし、今を生きる私たちはいかに不要なものを手放していくか。

ここにフォーカスしていかないと、どんどん自分らしさを失っていくと感じています。

自分の元々満たされているもの。

大切なひとや置かれている環境。

これらへの感謝の気持ち。

忘れちゃいけないなあと思いました。

今の時代、SNSなども発達してつい人と比べてしまったり、生きづらさを感じやすい方も多いと思うのです。

そういう時に必要なのは自分自身を理解することに努めていくこと。

自分を知ることで、足るを知るとは何かを自分なりの言葉で具体化することが大切だなと。

そのためには、

・定期的に自分を見つめ直す時間を取り続けていくこと

・今ある自分の素材を活かして自分らしく生きる覚悟を持つこと

・不必要なものは勇気を持って手放すシンプルに生きる力

これらを意識していきたいなぁと思いました。

改めて、今ここに生きていられることのご縁を感じずにはいられない尊い時間となりました。

感謝です。

最後に

今回のロケでは羽黒町観光協会の職員の方々や"大進坊"の早坂さんをはじめ地域の皆様には大変お世話になり本当に感謝でいっぱいです。

2日間でも結構きつい修行だったのですが、また修行や参拝をしに訪れたくなるような不思議なパワーが宿る場所でした。

ということで今回は山伏の修行体験で学んだ3つのことをシェアさせて頂きました。

それでは今回も最後までご覧いただきましてありがとうございました。

引き続きご自愛しながらお過ごしください。

photo by Takuro Yamamoto

Photo by Takuro Yamamoto

今回の修行のまとめ動画と月山の美しい朝焼けと夕焼けの映像はこちらのYouTubeよりご覧頂けます。

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