お疲れ様です。あやです。
みなさんは”雷鳥(ライチョウ)”という鳥の名前を聞いたことがありますか?
自然が好きな方や登山をする方は、一度は聞いたことがある名前なのではないかと思います。
今回は標高の高い山のみに生息する、出会えると幸せな気持ちになる鳥。
山のアイドルでもあり絶滅危惧種でもある、雷鳥。
この愛おしい雷鳥を守るために、登山者としてできることについてまとめてみました。
ぜひ、ハイカーのみなさんと一緒に考える機会にできますと嬉しく思います。
それではさっそく雷鳥について振り返っていきましょう。
ライチョウとは?
キジ目ライチョウ科ライチョウ族に属する。
1955年に日本で特別天然記念物に指定されているとても貴重な鳥。
標高2400m以上の所に生息し、1年に3回衣替えをするので、季節によって異なる姿のライチョウを見ることができます。
春:オスは岩に似た黒っぽい色となり、メスは枯れ草に似た黄色っぽいマダラ模様
夏:オスとメス共に、高い山の草地に馴染むくすんだ茶色になります。
冬は雪に馴染む真っ白な姿になり、それぞれの季節にあった保護色により自分の身を守っています。
どの季節も可愛らしいのですが、個人的には冬のもふもふしたライチョウが特に可愛くて大好きです。
雷鳥のエサは何かというと、主に高山植物を食べているそうです。
春:芽吹いた柔らかい芽と葉
夏:花が咲くと花と実を
秋:種子時々アブラムシなどの昆虫類やミミズ など
山で出会えると本当に癒されますね。
他国では狩猟鳥!?
これは知らなかった事実なのですが、ヨーロッパではライチョウは狩猟鳥として扱われています。
そのため、人間が近づくと身の危険を感じてすぐに逃げ回るそうです。
一方で、日本の高山で見ることができるライチョウは他国と比較してなかなか逃げないのが特徴。
その理由として、天然記念物というだけではなく、
高い山には神様が住むという山岳信仰が古くから日本にあったという宗教観
も理由の一つとして挙げられていました。
雷鳥の歴史
ライチョウは今から2〜3万年前に大陸から日本へ移動し、その頃の地球は氷期で日本列島と大陸は続いていたそうです。
その後大陸と海が隔たれて、その後日本列島の気温が上昇していきました。
少しでも気温の低い場所へと移動する必要があったため、ライチョウ達は高山へ移動。
氷期を生き延びたライチョウの祖先がいたことで、今高山で見ることができていると言われています。
鳴き声は予想を反して低いガガーという鳴き声が特徴的です。笑
平安時代は「らいのとり」と呼ばれていて、らいは”霊”を表していて霊鳥。
つまり神様のいる高山に住む鳥として尊敬の気持ちが込められた名前が付けられていたそうです。
ライチョウがしきりに鳴くとカミナリが鳴り始めるとよく言われています。
確かに小雨の早朝や雲行きが怪しいタイミングなど天候が悪くなりやすい状況で見かけることが多かったです。
晴れ間に見れることは稀なので、出会えるとラッキーですね。
地球温暖化とライチョウとの関係
現在、地球温暖化とライチョウの絶滅の危機との関係が問題視されています。
テンやオコジョ、キツネ、サル、シカなどが
高山帯に侵入してライチョウの卵や孵化したばかりのひなを食べてしまうことで繁殖ができずにいる大きな現状があります。
しかし、もう一つの原因として温室効果ガスによる地球温暖化の影響があると言われています。
地球の気温が上昇するたびに、ライチョウの縄張りが大きく減少している現状のため、地球全体での対策が急務です。
2012年に環境省はレッドリストを改正し、「絶滅危惧種IB類」になりました。
これは、「近い将来に絶滅の可能性が高い鳥類」の仲間になったことを表しています。
ライチョウを守るために何ができるか?
文部科学省、農林水産省、環境省の三省が一つになり、ライチョウ保護増殖検討会が作られています。
この会による「ライチョウ保護増殖事業計画」が作られました。
その中でも特に
①ライチョウが生息するのに自然な自然環境を守っていくこと
②飼育技術を高めて、将来的に飼育したライチョウを高山に放すことができるようにすること
(捕食者の捕獲やケージ保護、動物園で行う人工飼育や人口増殖など)
などが目標として掲げられていました。
また、自然に生きるだけでは生き延びることが難しくなっている現状を、中村先生や地域のサポーターの方々などが試行錯誤しながらケアをされているそうです。
直接的に関わることができていないので、長年にわたってサポートをし続けていらっしゃる姿に頭が下がりました。
登山者としてできることとは
私自身は専門分野ではないため、研究に携わったりすることは全くできない身です。
しかし、登山者としてライチョウや生態系を守るためにできることを、今一度振り返っていきたいと思います。
まずは
①山の中でライチョウを追いかけたり近くに寄りすぎずに刺激しないこと、写真撮影はなるべく遠くから行うなど工夫すること。
②ゴミなどを落とさずに持ち帰られる範囲で落ちているゴミを拾い山を綺麗な状態に保つこと。
③日常の暮らしで環境負荷の低い暮らしを心がけること
これら3つがすぐに取り組めることかなと思います。
「あの時代はライチョウが山にいたんだよね。」
といったことが無いように、私自身も日頃の暮らしから地球環境に対して取り組めることを続けていきたいと感じました。
大事なことを気づかせてくれたライチョウに感謝です。
今回参考にさせて頂いた本は国松俊英さんという方が書かれた
『ライチョウを絶滅から救え』という本です。
鳥類学者の中村浩志先生の長年の取り組みが、読み応えある内容でわかりやすくまとまっていました。
最後に今までに登った山で特に美しい景色を撮影した時の動画や写真をムービーとしてまとめてみました!
ライチョウも出演しているのでよろしければご覧ください♪
今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。