山歩き

登山中に起こると危険!シャリバテの回避方法

お疲れ様です。あやです。

みなさんは登山中に急に体に力が入らなくなったり、なかなか足が進まなくなってしまったことはないでしょうか?

しっかり休憩しながら歩いているのに、歩けなくなってしまった。。

歩いている途中で急にへとへとになって座り込んでしまった。。

山に登り続けていると時々こういった状態になったことはありませんか?

今回は山登り用語の一つである「シャリバテ」について振り返って、この先も安全に登山が楽しめるよう整えていきます。

あやぱんこ

シャリバテ?何その寿司屋みたいな用語。

めっちゃ気になるから教えて欲しい!

シャリバテとは?

シャリバテとは?

シャリバテのシャリは登山用語なのですが、登山に必要なご飯を意味していています。

このシャリが不足してエネルギー不足になっている状態をシャリバテといいます。

同じような状態をハンガーノックとも言います。

例えば、山登りをし始めて順調に体が進んでいたのに体が重くなって足が進まなくなり、バテてしまった時の原因としてどんなことが考えられるでしょうか?

①「歩く速さが早すぎる」

②「食料の補給が不十分なことによるエネルギー不足」

③「水分の補給が不十分」

④「自分の体力に合ってないコースを選んでしまうこと」


これらはどれもシャリバテを起こす原因の一つとしてあげられます。

ここで、注意したい勘違いが「単なる体力不足で疲れたのかな?」と思ってしまうことです。

「そういえば、今日は朝からエネルギー不足だからなんか食べなきゃ!」

と気づいてすぐに食べ物や水分を補給できれば良いのですが、そのまま放っておくと食欲すらなくなってしまうこともあり注意が必要です。

ここまでくるとカラダの血糖値がかなり下がっている状態なので、ブドウ糖ジュースなど即効で血糖値を上げるものを口に含んで食欲や症状を回復させましょう。

さらに低血糖が進んで意識がもうろうとしている場合は経口摂取が難しく、食べ物や飲み物を喉に詰まらせてしまう危険性も高く救急要請が必要になってきますので注意しましょう。

知っておきたいシャリバテ対策

知っておきたいシャリバテ対策とは?

ここでシャリバテを起こさないようにしておきたい対策について3つ振り返っていきましょう。

基本的にはゆっくり歩く、食べる、飲む!の3つが大切になってきます。

今回は鹿屋体育大学山本教授の研究を参考に振り返っていきます。

①ゆっくり歩く(息が切れない早さで歩く)
ゆっくり歩く

→最高心拍数(220-年齢)の75%以下の心拍数で歩く。

例えば••• 30歳の人が歩く場合。

心拍数:(220-30)×0.75 =142回/分くらいのペースで。

②食べる(がつがつ歩きすぎずに休憩を取る)
食べる

→体重×行動時間×5(kcal)の50〜100%(kcal)分のエネルギーを摂取する。

個人的には大体1時間あたり200kcalくらいがGOODでした。

例えば••• 体重50kgの人が行動時間6時間の山を登る場合

50(kg)×6(h)×5(kcal)=1500kcal の50~100%くらいという計算になります。

個人的には70%くらいが良いあんばいかなと思います。

色々と試してみた結果、

  • ナッツ類やエナジーバー、プロテインバーは腹持ちが良い。
  • マーブルチョコなどは溶けずに食べられる。
  • ドライフルーツなどの自然由来の乾燥食を食べて加工食品に偏らないこと。
  • 大福やようかんなどの和菓子も個人的にオススメ。

冬場はカチカチになり夏は溶けるとベチョベチョになるのでチョココーティングのおやつは美味しいですが取り扱いは注意です。笑

③飲む(こまめに水分補給)
飲む

→体重×行動時間×5(ml)を目安に水分を補給する。

例えば・・・ 体重50kgの人の場合

50(kg)×5(時間)×5ml=1250ml

ナルゲンボトルやシリコンボトル、ハイドレーション、水筒などは個人でパッキングしやすいものがベスト!

ただ、ハイドレーションの場合はパッキングが面倒くさいですが手軽に水分補給ができるので脱水症状を防げるメリットがあります。

また、胸の部分にボトルホルダーを取り付けることでボトルを取り出しやすくなるので使ってみることをオススメします。

水分や塩分の不足から起こり得る症状

水分や塩分の不足から起こりうる症状

食事に併せて気を付けておきたいポイントは水分補給です。実際に私たちの成人の体の60%以上は水でできていますが、運動などで汗をかくことで塩分やナトリウムなども気づかないうちに失われていきます。

これらの水分、塩分、ナトリウムが不足した状態で起こる代表的な例が脱水症です。

この状態を防ぐために、塩分補給タブレットや経口補水液の粉末タイプを持っておくと予防できるので安心です。

今回のまとめ

今までお伝えした3つのポイントをまとめます。

「ゆっくり歩く」

「適宜食べる」

「喉が渇く前に飲む」

これらの3つのポイントに気を付けながら、その時の登山に見合った準備をして楽しんでいきましょう!

忘れもしないシャリバテ危機

シャリバテの危機体験談

 最後に、以前ニュージーランドのロングトレイルを歩いていた時に体験したシャリバテ危機についてお話します。

とある日、普段通り毎日20kmのペースで歩いていたのですが、その日はコースを間違えて仕方なく川を渡ることに。。

しかし水深は1m程あり、岩を張って100m以上ある岸へ渡ろうとしていたところ、滑って川に落ちてしまいました。

まさかの胸まで浸水し、疲労もMAX。。

服を乾かしてその後も4時間程歩き、星空が見えるほど真っ暗な道をヘッドランプを付けて歩くナイトハイクに。

なんとキャンプサイトに到着したのは20時。

心身共にへとへと。。

その日は結局12時間ほど歩いて泥のようにテントで眠り朝を迎えました。

しかしながら翌朝起きた時に、体が鉛のように重い。。

「今日はさすがに動けない。。」と思い、1日休息日を設けることにしました。

いつものように食事を摂取しようと思いましたが、翌日の最終日の携行食が無くなってしまうので夕方まで我慢。

低血糖状態になりながら、唯一余分にあった乾燥わかめと塩をひたすら食べて全然満たされないお腹をわかめの体積で満たしました。(ミネラル過多笑)

炭水化物や糖分、ビタミンが足りてないのでヘロヘロ。

望まないファスティングをしている気分でした。笑

この経験から長距離を歩くトレイルで通過点にスーパーがない場合は、普段以上に栄養補給・摂取カロリーを考えて余分に持参しておくことが大切なんだとしみじみ体感しました。

また、この時に「飢餓スイッチ」が入り、どんなに軽量化を心がけていても食糧だけは予備をたくさん持っておこうと誓った出来事にもなりました。笑

今回は私からは以上になります。

少しでも今後の山旅の参考にして頂けますととても嬉しいです。

こちらの記事に関しての詳細はYouTubeの山彩CHANNELにも動画をアップしているのでよろしければご覧ください。

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